2009年 02月 22日
「ゆきなり」ということば (8)
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「ゆきなり」は本来名詞であったのが、これに「に」が付いて形容動詞化したものと考えられます。そのことは、そこから生まれた「いきなり」についても同様です。



以下の用例もまた『日本国語大辞典』(第二版)からの引用で、カッコ内の片仮名は原文に施されたものです。

1) 先(まづ)おれも、とふとふ(=とうとう)勘当をくらった。是(これ)からは行(イキ)なりといふ世界だ。(洒落本・傾城買指南所<1778>)

2) いきなりに世間を捨(すて)て懸(かか)っちゃァから、すてばちで… (人情本・春色辰巳園<1833-35>)

上記 1) は名詞、2) は形容動詞として、それぞれ《成り行き任せ》の意に用いられたもの。後者に属するものの中には、次のように活用語尾が「な」の形を取る例も見られます。

3) 長いあひだ満足に足腰を伸したこともない、行成(イキナリ)な生活が追想(オモヒダ)された。 (徳田秋声・(かび)<1911>)

ここに見るように、「ゆきなり」から転じた「いきなり」には、1900年代に至ってもなお、形容動詞としての用法が残っていたことが注意されます。(この項続く)

ハクモクレンは開花の時期が近く、つぼみがだいぶふくらんできました。
最後の画像2枚は、けさ別の場所で出会った城尾ファミリィ。個体の違いは"猫相"に表れていますね。
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  *撮影機材:RICOH GR-DIGITALⅡ 28mm f2.4
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-02-22 08:01 | 言語・文化雑考


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