2009年 03月 09日
「散々たる」という言い方 (1)
f0073935_11324048.jpg
いつものように、ネット上で見かけた気になることばの"身元改め"を試みます。今回の対象は「散々たる」というはぐれもの。



この形をネットで検索すると、次のような使用例がごっそりと網にひっかかります。

1) 結論から言うと、このようなプロ集団の成績は散々たるものです。
2) 本年の競馬は散々たる結果。 G1で、的中したと威張れるのは、エリザベスのみ・・・。
3) 「恥ずかしい表現が多い」「背中が痒くなる」など、散々たる言い草だったことを覚えている。
4) 旅客鉄道は散々たるニュージーランドですが、貨物鉄道はまだまだ活躍しているみたいです。


これらはいずれも、《見るに耐えないほどひどい様子》の意を表す文語の形容動詞「惨憺(さんたん)たる」の語幹「惨憺」を、音の似通った「散々」と取り違えた混淆形であることが明らかです。なお3)・4)については、語形だけでなく語義の面にも本来の用法からの逸脱が認められます。

ちなみに、調査時点における google 検索のヒット概数は、「散々たる」518,000に対して、本家の「惨憺たる」が136,000という状況。無効データも少なからず含まれているとはいえ、まがい物の隆盛ぶりを示す一つの目安にはなります。 (この項続く)

1枚目はジンチョウゲのマクロ画像。こうして見ると、何か別の花のような印象を受けますね。
f0073935_11332241.jpg
f0073935_11335579.jpg
f0073935_11342224.jpg
f0073935_11344784.jpg
f0073935_1135587.jpg

  *撮影機材:RICOH GR-DIGITALⅡ 28mm f2.4
[PR]

by YOSHIO_HAYASHI | 2009-03-09 11:49 | 言語・文化雑考


<< 「散々たる」という言い方 (2)      雨上がり >>