2009年 03月 13日
「惨憺たる」の語幹は、一方に《心を砕くさま》の意を表す四字熟語「苦心惨憺」の形でも用いられます。ひょっとすると「惨憺>散々」と同じ変異によって「苦心散々」の形も使われているのでないか、そんな当たりを付けてネット検索をしてみました。 その結果は、「散々たる」に比べれば格段に数は少ないながらも、ねらいどおり、次のような使用例を探し当てることができました。 ・パソコンにトラブルが発生、年賀ソフトが削除になり、苦心散々の末、何とか回復、(下略) ・僕は、栗で椅子を製作中ですがややもすると切り損ねたり苦心散々です。 ・今、いちばん我が家の全員が困っていることは、「甘噛みのくせ」だ。みんなが止めさせることに苦心散々である。 こちらには一方に「散々苦心して」「散々苦心のすえ」などの慣用表現があるので、これからの類推という線も考えられそうです。 旧世代の嘆きも知らぬげに、ことばはみるみる移り行く。移り行くこそことばなれ。 今後このような「散々」がどのように推移していくのか、観察を続けて行きたいと思います。 (この項終り) 今日の3枚目は、昨日の続き、アシビのマクロ画像。4枚目はいつぞや名前を教えていただいた、花盛りのミモザアカシア。5枚目、「三味線草」から来たペンペングサの異名を持つ野の花のナズナも、負けじと花を付けていました。この花を詠んだ次の句がありましたね。 妹が垣根三味線草の花咲きぬ 蕪村 *撮影機材:RICOH GR-DIGITALⅡ 28mm f2.4
by YOSHIO_HAYASHI
| 2009-03-13 08:07
| 言語・文化雑考
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