2009年 03月 25日
「したたる(滴)」あれこれ (1)
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《水などが、しずくとなって下に垂れ落ちる》意を表す動詞「したたる」は古いやまとことばで、すでに『日本書紀』をはじめとする古代の文献に姿を見せます。



この語を歴史的に見ると、その語義にはさほどの変化はありませんが、語形に新旧の相違が認められます。

古くは、この語の第3拍は濁音で、「しただる」の形が用いられました。平安・鎌倉期にかけて成立した漢字字書『類聚名義抄』の諸本には、「」や「」の漢字に「シタダル」の和訓を施した例が見られます。

このシタダルという形は、近世初期のころまでは使用されていたことが確実です。毎度引用する『日葡辞書』(1603)には次の画像に見るような記事があります。
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ここには、この語の名詞形・動詞形がともに Xitadari.と表記されており、17世紀初頭のころまでは古形が用いられていたことを示しています。 (この項続く)

  *撮影機材:RICOH GR-DIGITALⅡ 28mm f2.4
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-03-25 12:54 | 言語・文化雑考


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