2009年 06月 04日
ジュウヤク(十薬) -3-
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f0073935_6445296.jpg享保二年(1717)に刊行された分類体辞書『書言字考節用集』の巻六「生植門」には、植物類の名前がイロハ順に集められています。



その「チ」の部には、左の画像に見るように「羊麻草」「蔓芋」の見出し字があり、ともにヂウヤクの読み仮名が示されています。なお前者の注記に「出 レ 土」とあるのは、「土」が「ト」の字音仮名で、「土(と)ニ出ヅ」、すなわち「ト」の部にもこの語が収められていることを示すものです。

その「ト」の部を見ると、そこにも同じ見出し字を掲げ、こちらにはドクダミの和訓が施されています。

これらのことから、この文献もドクダミの別名として、ュウヤクではなくてュウヤクの形を採用していることが知られます。

そうすると、前回の記事に示した『日葡辞書』のローマ字綴りは、ジュウヤクの誤りとして簡単に退けるわけにはいかず、ヂュウヤクが本来の語形であった可能性もなお残ることになります。

ただし、たとえそうではあったとしても、それがどのような語源を有するものかについては、残念ながら不明とするほかはありませんが。 (この項終わり)
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  *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation) (1枚目)
        RICOH GR-DIGITALⅡ 28mm f2.4 (2枚目)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-06-04 06:45 | 言語・文化雑考


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