2009年 07月 20日
「あきれる」という言葉 (終)
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今度は「あきれる」について、幕末に来日したJ・C・ヘボン(1815-1911)の編んだ和英辞典『和英語林集成』を参照してみることにしましょう。



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上掲の画像は、上がその初版(1867年刊)、下が三版(1886年刊)のものです。

両者の語釈を比べてみると、初版の "(to be) amazed" (驚かされること) の部分が 三版では "(to be) dumbfounded" (唖然とさせられること) に変わっています。

さらに、二番目の用例として掲げる "Akireta hito. "(あきれた人) の英訳を見ると、初版では "a wonderful man." (驚くべき人) であったのが、三版では "an awful man." (ひどい人) に改められていることに気付きます。

なお、1872年に刊行された再版の本文を見ると、上記2点は初版と同じなので、これらの改訂は三版の時点でなされたものであることがわかります。

この辞書の三版は、他の記事についても全体に多くの改訂や増補がなされており、編者のヘボンが明治期の日本語の実状をより正確に反映させようとした苦心の跡をうかがうことができます。

上記の「あきれる」に関する改訂について言えば、この語に含まれるマイナスの意義要素が、初版の語釈および用例には反映されていない点を改めようとした結果のあらわれと見ることができるでしょう。 (この項終わり)

このところ姿を見なかった城尾ファミリーに久しぶりに遭遇しました(最後から2枚目)。夏痩せでスリムな体形になっていましたが、元気な様子だったので安心しました。
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*撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-07-20 07:59 | 言語・文化雑考


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