2009年 07月 26日
「み」あれこれ (4)
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「み」はまた次のようにも用いられます。

 やわ/\とおもみのかゝる芥川



明和二年(1765)刊行の『誹風柳多留』初編に収める「前句付(まえくづけ)」で、撰者が課題に出した七・七の前句「くわほふ成りけり/\」に対する付句の一つとして採用されたもの。

この句は、昔男が身分の高い女を連れ出して逃げ、「芥川」のあたりにさしかかって、空き藏の中で雨宿りをしていたところ、そこに鬼が出て女は一口に食われてしまったという、『伊勢物語』に出る話を踏まえたものです。

男が姫を背負って芥川を渡った時分には、背中にその体の重みがかかってきたことだろうという想像句で、「やわやわと」という言葉が活きてはたらいているとともに、男が首尾良く姫を手に入れたのを、うまくやったものだとして、前句の「くわほふ(果報)」に付け合わせたところに、この句の面白みがあります。

「重み」とか「面白み」などと使われるこのような「み」は、物事の性質や状態を表す形容詞や形容動詞の語幹に付いて、それを名詞化するはたらきがあります。

ところで、この種の「み」の中で、「面白み」のような場合には「面白」と漢字で書かれることがありますが、「重み」などは通常「重味」とは書かないと言ってよいでしょう。

こういうちがいが生まれるのはなぜでしょうか。 (この項続く)

*撮影機材:RICOH GR-DIGITALⅡ 28mm f2.4
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-07-26 07:15 | 言語・文化雑考


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