2009年 08月 01日
「み」あれこれ (6)
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「あまみ」や「からみ」などの「み」の表記に「味」を用いるのは、この漢字の字音「ミ」を借りた「あて字」にあたります。ここには和語の「み」と漢語の「ミ」の混同が見られます。



ただ、「あまみ」や「からみ」は、もともと《もののあじ》に関わる語ですから、これに「味」の字をあてても、それがあて字だという印象はほとんど受けません。たとえば「出鱈目(でたらめ)」とか「目出度(めでたい)」などのような、漢字の持つ字義とは無関係な"正統派"のあて字に比べれば、その差は歴然としています。

一方、これらの類とは別に、先に例として挙げた「おもしろみ(面白味)」をはじめ、「あつみ(厚味)」「すごみ(凄味)」「よわみ(弱味)」などのように、味覚とは直接関係のない語であっても、「味」をあてて用いられるものもあります。

このような例についてもまた、「趣」とか「興」のように、物事に含まれているおもむきを表すのに用いられる漢語の「ミ(味)」を和語の「み」に対応させることによって生まれた用法と見ることができます。

ただしこの種の「み」では、そのすべてに「味」の字があてられるわけではありません。先に挙げた「重み」をはじめ「深み」「高み」「明るみ」などのような類がそれにあたります。

これらの語には、「み」を「味」で表すことに違和感を覚えるところがあるために、それが「味」の表記の妨げになったのでしょう。 (この項続く)

*撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-08-01 06:35 | 言語・文化雑考


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