2009年 09月 22日
いわきの方言 -ブンズいろ(1)-
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いわき三吟連衆の禿山氏から、札幌の円山公園で撮ったというウリノキの画像が送られてきました。上に掲げる1枚目がその実で、2枚目は参考のためにと後から頂いたその花の画像です。氏のご厚意によりここに使用させていただきます。



1枚目の画像に添えて、昔この実のような色をブンズいろと言ったことがあり、海水浴で長時間水の中に浸かった後の唇の色などを言うのにも使っていたが、覚えがないかというお尋ねがありました。

その後、もう一人の連衆でいわき市に住む笑女さんからは、打ち身などで紫色になったところを「ブンズになってる」などと使う人が今でもいるという報告がありました。

「ブンズいろ」は何十年ぶりかで接する方言で、子どものころに使った懐かしい言葉です。

ところで、その「ブンズ」とはいったい何を指す言葉なのでしょうか。そのことが気になったので、さっそく『日本方言大辞典』(小学館)の索引にあたってみたところ、同書の「ぶどー【葡萄】」の項目中に「ブンズ」が掲げられてあり、ヤマブドウを指す福島県石城郡(現在のいわき市)の方言としてあるのをみつけました。

確かに、体が冷えて暗紫色になった唇の色や、打ち身のために変色した肌の色を表すのに、ヤマブドウの実の色をひきあいに出すのはまことにふさわしいと思われます。

これによれば、われわれが幼少の折に使っていた「ブンズいろ」というのは、「キいろ」「ミドリいろ」「アカネいろ」「ムラサキいろ」「ダイダイいろ」などと同じように、植物の色になぞらえて作られた色彩名であったことになります。 (この項続く)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-09-22 04:14 | 言語・文化雑考


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