2009年 10月 03日
「しさる(退)」あれこれ (3) 【画像追加・加筆アリ】
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すでに紹介した「謎の本」とほぼ同時代のことばを集めた『日葡辞書』(1603年)にも、この動詞は見出し語として収められています。その箇所を『邦訳日葡辞書』(岩波書店)のコピー画像によって示します。



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初めの項目で注意されるのは、この動詞についてシザル・シサルの清濁両形が掲げられていることと、シザルよりもシサルの方をよしとしていることです。

また別の項には次の画像に見るようにシサルとその活用が掲げられ、こちらが標準の形であることを示しています。
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この辞書では、キリシタン宣教師たちが純正な日本語を習得できるような配慮がなされていて、二つの語形に何らかの価値の差があるような場合には、そのことを記して両語を掲げる事例が見られます。先の項目に二つの語形が示されていたのは、このケースに該当するものです。

ところで、そこではシザルよりもシサルをよしとしながらも、後の項目の補遺篇収録語彙(邦訳本では見出し語の頭に†印を付けてそれを示す)では、「シザリウマ」の濁音形を掲げている点も注意されます。

このような事例が見られるのは、シサルの方が本来の形ではあるものの、17世紀初頭にはすでにシザルもかなり通用していたことを示すものと思われます。 (この項続く)

昨日一日降り続いた雨も今朝は上がって、秋の青空が戻ってきました。今朝は久しぶりにコンビニ猫連の一員の茶虎Bの姿を見かけたので、フェンス越しに一枚。ここがお気に入りの場所のようです。
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  *撮影機材:PENTAX K-7 +SIGMA17-70mm f2.8-4.5 DC MACRO
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-10-03 06:42 | 言語・文化雑考


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