2009年 10月 19日
中世の謎から -じゃうり(終)-
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《草履》を意味する「ジョーリ」は、実は私にとってたいへん懐かしいことばなのです。



草履など見たこともない子どもは当今珍しくありませんが、私たちの少年時代にはまだこれを学校での上履きなどに使っていました。

現在のいわき市豊間に住んでいた母方の祖母は、そうした用途に供するために、時折自分で編んだ草履を、庭で採れたイチジクなどといっしょに提げて孫たちの家を訪れてくれました。その際に祖母は、その履き物を「ジョーリ」と呼んでいました。私はそれを聞いて、何やら奇異な響きを持ったことばだなと思ったことを今でもよく覚えています。

しかし、長ずるに及んで、中世の文献の中でこれまでに取り上げたような「じやうり」と出会い、祖母の「ジョーリ」がその古い日本語の音形を伝えるものであったことに遅蒔きながら気付いた次第です。

その懐かしいことばを口にすると、言葉数の少ない小柄な祖母の姿がありありと目に浮かんできます。こうしたことばの記憶も、私たちの世代を最後として失われてしまうことでしょう。

このようなささやかなことどもに懐旧と哀惜の念を抱きながら、この項を閉じることにいたします。  (この項終り)

本日の画像は、昨日の市内散策のついでに訪れた「殿ケ谷戸庭園」の写真です。そういう場所にふさわしいと思って久しぶりにライカの古いレンズを装着し、絞りを開放近くにして撮ったものですが、このレンズによく見られる同心円状の"ぐるぐる"ボケが盛大に出る結果と相成りました。

紅葉の時期にはまだ早いために訪れる人はまばらで、静かな庭園の趣を堪能することができました。係員の説明によれば、今年の紅葉は11月下旬ごろからが見頃だそうです。混雑しない平日にお出かけ下さいとのことでした。
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*撮影機材:R-D1+SUMMAR50mm f2.0
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by YOSHIO_HAYASHI | 2009-10-19 05:02 | 言語・文化雑考


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