2009年 11月 13日
気になる表現 -「ある意味」-
f0073935_10543493.jpg
今日のウェブニュースに、目下世間の耳目を集めている例の市橋容疑者の記事があり、そこに次のようなことが書かれていました。



捜査本部は、指名手配中から科学的手法で容疑者像を分析する「プロファイリング」をしており、取り調べは市橋容疑者の性格を「ある意味知り尽くした」(県警幹部)とされる警部補が担当しているという。

こんなふうに使われる「ある意味」を最近よく見かけます。しかし、こんな言葉は使わなくても済むし、使うならもっと別の言い方に替えられるとは思いませんか。

上の例に則して言うと、「ある意味」を使うからには、これを受ける語句が多義的な要素を含むものであることが前提になりますが、これを受ける「知り尽くした」には、幾通りにも解されるような意味要素があるとも思えません。言わばこの「ある意味」は、言わずもがなの空虚な言葉でしかありません。

たいした意味のない言葉をさも意味ありげに使うのは、言語感覚の底の浅さを露呈するもの。こんな具合に使われる「ある意味」は、そういうことの好例にあたるもののように思われます。
f0073935_1119778.jpg

  *撮影機材:PENTAX K-7 +SIGMA17-70mm f2.8-4.5 DC MACRO
[PR]

by YOSHIO_HAYASHI | 2009-11-13 08:15 | 言語・文化雑考


<< 霜月も はや半ば過ぎ      中世の謎から -人丸(2)- >>