2010年 03月 17日
シタダミからフゲシへ -ツィッターの話題から- (3)
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当面の「鳳至」の問題から、話が少し枝道に入ります。

日本の古い地名は漢字二字で表記されるのが通例です。これは、和銅六年(713)五月に、朝廷から「畿内七道諸国郡郷ノ名、好(よ)キ字ヲ著(つ)ケヨ」という布告が出され、それまでは恣意的な表記がなされていた国郡郷名を二字の「好字」で表記するという基本方針に則った改正が行われたことによるものです。

ただし、この事業はこの年に全国一斉に施行されたというわけではなく、その前後にかけてある程度時間をかけて行われたものと思われます。

例えば、現在の東京都と埼玉県の一部を含む地域には、古く无邪志(むざし)・胸刺(むさし/むなさし)・知々夫(ちちぶ)の三つの地方官が置かれていましたが、大化改新の後に一国となり、国名も「武蔵」に改められました。

この国名の漢字表記は、上記の地方官「无邪志」の名をもとに定められたものと思われます。すなわち、「无(ム)」を同音の「武(ム)」に置き換え、「邪(ザ)」にはこれと同じ頭音を持つ「蔵(ザウ)」を転用することによって、「武蔵」という"二字の好字"による国名表記が考案されました。その際に古い表記の「志」は、二字という制約のためにやむなく捨てられたのでしょう。「武蔵」の国は古くはムザシと呼ばれたのが、後にムサシと清音に替わったということにもなりますね。

このような地名表記の改正は全国各地で試みられたわけですが、そこにはさまざまな苦心の跡を見ることができます。 (この項続く)

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*撮影機材:PENTAX K-7 +SIGMA17-70mm f2.8-4.5 DC MACRO
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by YOSHIO_HAYASHI | 2010-03-17 07:08 | 言語・文化雑考


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