2010年 03月 18日
シタダミからフゲシへ -ツィッターの話題から- (4)
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国郡郷の名をそれぞれの音節数に関わりなく一律に漢字二文字で表すという課題は、一音節あるいは三音節以上の地名を持つ地方にとってはかなり厄介な要求です。

紀伊国(きのくに)という国名は、この地が森林資源の豊かなところから来た、《木の国》の意を表す名称であったとされます。この国では、その /キ/ という一音節地名を漢字二文字で表さなければなりません。

そこで考え出されたのは /キ/の音節に含まれる母音 /イ/ を引き延ばして /キイ/ という形を臨時にこしらえ、これに「紀伊」の漢字を当てるという妙案でした。この方法を適用すれば、一音節の地名であっても漢字二文字で表すことが可能になります。現在でも「紀伊国屋」という屋号がキイノクニヤではなくてノクニヤと読まれているのもこういう理由からですね。

備中国にあった都宇(つ)という郡名にもこれと同じ原理がはたらいています。この地名は港を意味する《津》から出たものと思われますが、これを二文字で表すために、/ツ/ の母音を引き延ばしてそれに「都宇」の二字を当てたものです。この地名は現在では「つう」と呼ばれていますが、それは漢字の「都宇」に引き寄せられたもので、本来は短く「つ」と発音されるはずの地名でした。 (この項続く)

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*撮影機材:PENTAX K-7 +SIGMA17-70mm f2.8-4.5 DC MACRO
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by YOSHIO_HAYASHI | 2010-03-18 05:22 | 言語・文化雑考


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