2006年 03月 26日
こういう本を出しました
f0073935_7272538.jpg 今月、専修大学出版局から出版した『四本和文対照 捷解新語』の表紙写真です。

 この文献は、朝鮮李王朝時代、日本側との交易や政治的交渉などに従事する日本語通詞を養成するための教科書として編まれたもので、当時の話し言葉(「狂言」のせりふのスタイルとほぼ同じ)で書かれた日本語文を中心に、ハングルによる発音注記と朝鮮語訳が行間に記されています。

 その4種類あるテキストの本文中から、日本語で書かれた部分だけを抜き出し、本文の異同が一目で解るように対置させて飜字したもので、中世末期から江戸前期における日本語の話し言葉の変遷をうかがう資料として利用することができます。



f0073935_7303397.jpg 平仮名を主体とする原典の日本語表記には濁点が施されていませんが、ハングルによる発音注記が仮名に並記されているので、それを参考にして濁点を加え、朝鮮語訳文中に用いられている漢字表記を、本文の脇に振り漢字として表示しました。

 本書は数年前に大学院博士課程を修了した韓国の劉相溶君との共著の形で出版する予定だったのですが、出版のための資金援助を受けた本学の図書刊行助成の規定では、共著としての出版が認められないために、劉君は本書の内容にさらに韓国語の注釈を加えて、韓国国内で別個に出版することになりました。こちらも来年ごろまでには刊行されるはずです。

 4月から私が国内研究員として一年間講義を休む間、ゼミを担当して下さる目白大学の金 敬鎬教授も、『捷解新語』を使って授業を行う予定なので、それに間に合わせることができてよかったと思います。

 このような学術出版物は発行部数が少ないために、出版元の採算が合わないところから、どうしても高価なものになってしまうので、学生諸君に気軽に買ってもらうわけにはいきませんが、ゼミ発表の資料として使いたいときには、図書館に寄贈したのでそれを利用して下さい。

 なお、購入希望があれば特別価格でお分けしますので、メールなどで知らせて下さい。先着○○名様に限り限定発売いたします(と、最後はぬかりなくコマーシャルなのだ ^^;)。
[PR]

by YOSHIO_HAYASHI | 2006-03-26 12:06 | 身辺雑記


<< 博士号授与を祝って乾杯      今日は晴れの卒業式 >>