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2006年 04月 27日
砂利資源もそろそろ底をついてきました。これまでの運びをまとめて、ひとまず今回でこの項を終えることにします。江戸初期には、おおまかに言えば、《砂利》を指す語として「ごろた」(「ごらうた」「ごろうたらう」)類と、「じゃり」(「ざり」)類があり、前者は関西地域、後者は関東地域に分布していたと見ることができます。 それがやがて、漢字表記「砂利」とともに「じゃり」類が勢力を伸ばし、共通日本語としての地歩を占めるに至ったものと見られます。 「じゃり」の語源については、すでに本項第7回に引用した『年々随筆』が指摘するように、古語の「さざれ」と同源と見るのがよいでしょう。 ただし同書では、「さざれ」も「ざり」も、ともに「さらさら」「じゃりじゃり」という擬音語から出たものと考えています。しかし、これとは別に、「さざれ」から「ざれ」が生まれたものと見て、「さざれいし」が「さざれし」から「さざれ」と短縮の道を経たのちに、語頭が脱落して「ざれ」に変わり、それがさらに「ざり」「じゃり」*に変化したと解釈することもできます。 いずれにせよ、「砂利」は漢語ではなく、中世末期から近世初期のころに、和語の「ざり」を表す熟字として案出された〝漢語めかし〟の和製漢字表記ということになります。 つまり、この表記もまた〝当て字〟ではあるわけですが、その出来映えはなかなかのもの。あたかも本来の漢語であったかのような趣があり、われわれの目を眩ますに十分な風貌を備えています。 「じゃり」がのちに共通日本語になったのは、江戸語の流布ということと相まって、この漢字表記が土木建築資材としての実体を表すのにふさわしいものであったことも、大きな支えになったと思われます。 *(注)江戸期に「ざり」と「じゃり」の両形が併存していたのは、《戯れ》を意味する「ざれ」(eg.ざれごと)と「じゃれ」(eg.じゃれる)、あるいは《どくろ》を指す「されかうべ」と「しゃれかうべ」などの例と同じく、古代日本語のサ行音の問題がからんでいるように思われます。 *撮影機材:R-D1+SUMMARON MLmount 35mm f2.8 ■
[PR] by YOSHIO_HAYASHI | 2006-04-27 06:59 | 言語・文化雑考
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