2006年 10月 13日
李王朝時代の支配階級であったヤンバン(両班)たちは、体を動かすことを下賎な者たちのすることとして忌み嫌ったそうで、テニスを楽しんでいる西洋人たちに向かって、あなた方はそんなことを自身でなさらず、召使いにさせてはいかがか、と言ったという笑話を何かで読んだことがあります。 そのような思考様式が自転車にまで及んでいるのか、などと考えてみたこともあったのですが、実際はもっと単純、ソウルは車優先の都市で、自転車で街を走るのは非常に危険だから、というのが本当の理由のようです。 ソウル市内の市場などでは、大きな荷台をうしろに据えた頑丈な自転車が人混みの中をかき分けて行く光景はよく眼にしますが、日本で見るような普通の自転車に乗った人の姿はほとんど見かけません。 ただし地方に行けば、当今でも通学の足として使われているそうですから、これは大都市に限って見られる状況かと思われます。 初めに掲げた写真は、到着初日にインチョン空港からソウル市内に向かうリムジンバスの窓から撮ったハンガン河畔の風景。こんなにたくさんの自転車が走っているのはこれまで目にしたことがありません。しかしよく見ると、ここは車道に並行して設置された専用道路であることがわかります。ヘルメットを着装した乗り手が多いところから、実用としてではなく、スポーツとして自転車乗りを楽しんでいるのでしょう。 これもクァンジュ(光州)で撮ったものですが、ソウルでは自転車同様、オートバイもほとんどその姿を見かけません。彼らもまた車からは邪魔者扱いにされて肩身の狭い思いをしているのでしょう。 ヤンバンとは違って、体を動かすことの好きな人の多い現代韓国では、今後スポーツとして自転車を楽しむ人口が増えていくものと思われます。(この項了) *撮影機材:R-D1+NOKTON classic40mm(SC) f1.4 (2枚目) RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4 (1,3~5枚目)
by YOSHIO_HAYASHI
| 2006-10-13 08:16
| 旅行
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