2006年 10月 21日
今朝も恒例の猫小路詣でののち、住宅地を縫うように設定した散歩コースを歩き終えて、最後の車道にさしかかりました。すると、そこに通じる細道から出てきた動物が、車道を横切って向こう側に渡ろうという気配で、車の途絶えるのをうかがっています。彼までの距離はおよそ10m。 はて、猫にしては大き過ぎるし、道を渡るにしてもそんな用心深さは見せず、闇雲に飛び出すことであろう。かと言って、犬にしてはいささか太りすぎ。さては・・・。 こいつはしめた、とシャッターボタンに指が掛かる。 と、その時早く、かの時遅く、その気配をいち早く察したか、一件は身を翻してもと来た道に逃げ込んでしまいました。 こいつはしまった。しかしここであきらめてはカメラ魂が廃る。逃してなるものか、まださほど遠くまでは行かぬはず…。未確認物体の後を追って細道に入りました。 すると、いたいた、道の左側の家のガレージ、そこに置かれた車の近くに、こっちの様子をじっとうかがっている彼の姿があります。 今度はとっさに目測でピントを合わせ、シャッターボタンを押すと、たしかな手応え。 しかしその音におびえたか、再び彼はどたりと身を翻し、こたびは築山の陰に姿を隠してしまいました。 彼の初めの行動を推測するに、車道の反対側には某企業の中央研究所があり、ひと町内分を優に越す広大な敷地には、天然自然が満ちあふれています。彼はそこに住む一家の一員で、夜陰に乗じて遠征の脚を伸ばした、その朝帰りの途中だったに違いあるまじい。 そんなことを考えながら、東(ひんがし)の野を顧みすれば、そこには、しょ、証、証城寺の庭に出たと同じまん丸月…ではなくて朝の太陽が、研究所の森の上からつるりと赤い顔をのぞかせたところでした。 おしまい。 追記 サブタイトルに掲げたタタゲとは、タヌキの古い異名です。衒学趣味に走ったのではなく、ネタバレを防ぐべく、あえてこの名称を用いたというだけのことですが、タヌキだけに、その化けの皮はすでに途中で剥げていたことでしょうね。 *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0 (2nd generation)
by YOSHIO_HAYASHI
| 2006-10-21 08:10
| 身辺雑記
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