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2007年 01月 25日
西・北インド連句紀行#06 /脇>第三(その3)
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後でカプールさんから聞いたところによれば、リクシャの元締めが6人分支払われた車代を5人にしか渡さず、割を食った運転者が、お門違いの代金請求にバスを追い掛けて来たとのこと。しばらく大声でやり合った後、なお興奮覚めやらぬ面持ちの運転手は、哀れなリクシャワーラーを後に残してバスを発車させた。



18時からインド料理のレストランで夕食。それまでに第三候補句を提出して頂くことになっていたが、届いた短冊は1枚だけ。やむなく締切り時間を延長して、明日の昼食開始時までとする。

20時30分、ホテルに帰着。明朝の出発の荷造りをして早めに床に就く。
 
三日目。午前3時過ぎに目覚める。撮影画像の整理などをして時を過ごす。
6時に昨日と同じ食堂で朝食を摂り、6時30分出発。
本日の行程は、デリーからジャイプールまで、バスによる260キロメートルの走行。
窓外には濃霧が立ち籠めている。

途中、休憩時間をはさみ、山城のあるアンベールに11時30分に到着。
ここにはタクシー代わりの象がいる。我々はジープに分乗して城に向かう。
狭い山道には車がひしめいている。

2時間の山城見学を終えてバスに戻り、15時に遅い昼食。
開始前に連衆から第三候補句が提出される。
集まった句案は都合13句。それらをしばらく吟味したのち、次の句を頂戴することにした。

       嵐のあとの冬晴れの空
第三  群雀あそぶ軒先猫と居て      飛炉

作者によれば、昨日の見学先で目にした実景とのこと。
「雀」は「雀の巣」ならば三春、「雀の卵」「雀の子」は晩春、「猫」も「猫の恋」「恋猫」「猫の妻」などは初春、「猫の子」「親猫」は晩春と、それぞれ季語として見なされるが、「雀」「猫」だけならば無季句として差し支えない。

発句と脇が作り出した世界から大きく転じているところが、第三とするに恰好の句である。
これにて第三がめでたく治定の運びとなる。
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  *撮影機材:R-D1+SUMMARON35mm f2.8 (MLmount)

by YOSHIO_HAYASHI | 2007-01-25 07:03 | 旅行


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