2007年 02月 03日
「初心者の人」という言い方(四続) 【加筆アリ】
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昨日の記事で、ネットで拾った「○○者の人」の中に「野宿者の人」の例が含まれていました。この呼称はマイナス価値を含んだ「○○者」の例に該当するようにも思われます。



これも Googleによる検索結果では、「野宿者」だけの形を用いた例が約177,000件あります(2007.02.03現在)。しかし一方には、これに「の人」を付けて用いた例も7,050件ほど存在します。「野宿者」に「の人」が付くというのは、この呼称が必ずしもマイナス価値を含むとだけは言えないことを示すものですね。

「の人」の付いた例の多くに共通するのは、その文章の筆者がこの呼称の指す対象に対して同情的な視点で発言をしているという点です。

そのことをよく示していると思われる例を、「Yahoo! 知恵袋」(http://chiebukuro.yahoo.co.jp/)という質問掲示板の中に見つけました。

ここのボランティア関連のボードに「野宿者支援って?」というスレッドを立てた方がいます。
筆者は「野宿者」に対して批判的であり、その文章の最後に次のように述べています。

 > 私は冷たい人間なのかもしれませんが、そんな人に血税を使われる
 > のかと思うと正直良い気持ちはしません。
 > 野宿者について
 > みなさんはどう考えますか?

この質問に対するベストアンサーに選ばれたのは、同情的な視点を持つ方の意見で、筆者はその文章の最後に次のような考えを述べています。

 > ホームレスの方々は、いわゆる「働かざる者食うべからず」を実践していた
 > 世代の方々で、決して仕事をしたくないわけではありません。

この方は《野宿者》の類義語にあたる「ホームレス」に「方々」を用いています。これは「野宿者の人」よりも高い待遇表現です。

次の例も、彼らに同情的な視点を持つ、別の方の書いた文章です。

 > 野宿者の人は高齢者が多く。病気を患っている人がほとんどです。
 > 50歳以上の人が一般でも病気ないはずない。
 > 若いときには感覚がわかりませんが、若い人でも病気になっているときは
 > 暖かい家や家族。お金があってもつらいもんです。

「野宿者の人」という表現が、このような心情の発露によるものであることは、もはや明白ですね。

なお、これは漢字表記だけからは分かりませんが、昨日の「無能者」と同じく、「野宿者」にも「ノジュクもの」・「ノジュクシャ」の両形があるはずです。

さらに昨日の記事からすれば、《野宿者》に同情的な立場の人は、これを「ノジュクもの」とは呼ばないように思うのですが、いかがでしょうか。

本日の写真は、昨日見学してきた「深川江戸資料館」の内部とその近辺の画像です。
常設館に再現された江戸庶民の家の前のそこかしこに、初午に飾られる地口行燈が掛かっていました。

私の目当てはこの地口行燈の方だったのですが、江戸の町並みを再現したセットにもいたく心惹かれました。
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*撮影機材:R-D1+NOKTON classic40mm f1.4 (SC)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-02-03 17:46 | 言語・文化雑考


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