2007年 03月 24日
続:なんでボケなんて名前なんでしょう
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卒業式後のゼミ呑み会の席で、このブログの先日の記事をご覧になったキムセンセから、興味深い話を聞きました。



韓国では、すでに先に取り上げた「木瓜」の字音「モククヮ」に相当する 모과 [mo-goa] はカリンの実を指すことばだそうな。

帰宅してから『朝鮮語大辞典』(角川書店)のその項を引いてみると、語釈には確かに「ボケ・カリンの実」とありました。ボケの実を指すこともあるようですが、カリンの実まで含まれているところが日本語とはいささか事情を異にします。

ちなみに「木瓜」のコリア語字音は、正式には목과 [mok-koa] ですが、これから転じて上記の形で固有語(日本ならば「和語」)として用いられるようになったのでしょう。その点は、先に記した日本語の モケ>ボケ の変化と似たところがあります。

なお、カリンの実を指す類義語には명자 [myon-ja] もあり、こちらは漢語「榠〓」*(注) の字音読みにあたるものです。

「大漢和」は、この熟字を「メイサ」と読み、「樹木の名。くわりん。からなし。からぼけ」の字釈を施しています。またその用例のひとつに引かれた『本草』の記事には次のようにあります(孫引き御免。原漢文)。

 木ノ葉・花・実、木瓜ニ酷類《=酷似》ス。但シ木瓜ニ比シテ、大ニシテ黄色。(下略)

果実の大小を別にすれば、確かにボケとカリンの実の形はよく似ていますから、両者が同じ名称で呼ばれてもおかしくはないでしょうね。  (この項続くかも)

*(注) 〓 字は 木偏に「虍」+「且」の旁(つくり)
 
本日のトップ画像は、コリア語で ケナリ(개나리 [kenari]) と呼ばれるレンギョウ。ツツジを指すチンダルレ(진달래 [jin-dar-re])と同じ頃に咲く代表的な韓国の春の花です。

今朝の散歩道では、幹近くほのかな桃色を見せて、ほころび初めた一輪の桜の花を見つけました。いっせいに咲き出すのも、もうすぐですね。
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*撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-03-24 07:25 | 言語・文化雑考


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