2007年 04月 15日
「よか」という助詞(4)
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「よか」の話を続けます。



この項のはじめ、4月12日の記事に掲げたよかの用例は、書き手がいずれも若い世代に属する人たちでした。

この助詞を使わない人からは、よかというのはごく最近生まれた言葉のように思われそうですが、けっしてそうでないことは、昨日までの記事内容からも明らかです。
またそれとは別に、次のような文献例からもそのことを確かめることができます。

実は漱石の小説に登場する人物もこのよかを用いています。明治四十五年(1912)元旦から朝日新聞に連載を始めた『彼岸過迄』に、次のくだりがあります。

「叔母さん興津鯛(おきつだひ)御嫌(おきらひ)。妾(あたし)是(これ)よか興津鯛の方が美味(おいし)いわ」と百代子(ももよこ)が云つた。  (須永の話・十九) 

これとほぼ同時期の明治三十九年(1906)に発表された、伊藤左千夫『野菊の墓』に登場する「母」の言葉の中にも、この助詞が出てきます。

「お前は手習よか裁縫です。着物が満足に縫えなくては女一人前(いちにんまへ)として嫁にゆかれません」

伊藤左千夫は千葉県の出身ですから、あるいは当地の方言として用いたのかもしれません。

どちらも話し手が女性であるところが注意されますが、はたして女性語とまで言えるかどうかは、もう少し用例を集めてみないと確言できません。

ともあれ、よかがけっしてそんなに新しい言葉でないことは、これらの例からも明らかです。(この項をひとまず終えます)

今朝は城尾さんと一緒に白絵さんも姿を見せました。
この二猫は姉妹ないしは親子の関係で血がつながっているらしく、とてもよく似ていますが、こうして並んでいるのを見ると違いがよく分かります。

2枚目の画像右側、ややスリムな方と、4枚目が城尾さんです。

白絵さんは丸顔の器量好しですが、気性は城尾さんよりいささか荒いように感じられます。
今朝も煮干しを差し出す手に猫パンチを数発食らいました。
それに備えていつも手袋をはめているので平気ですが。

近くでその姿を見ると、どうもこの白絵さんにも仔がいるような気がします。
ひょっとすると、お揃いで出産したのかもしれません。
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  *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-04-15 07:33 | 言語・文化雑考


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