2007年 08月 14日
季語あれこれ -昼寝(4)-
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次は、芭蕉一門の連句(当時の呼び名は「俳諧」)の中に出てくる「昼寝」の句を見ることにしましょう。



連句には「式目(しきもく)」と呼ばれるきまりがあり、そのルールに従って、何人かの連衆が長句(五七五)と短句(七七)を交互に付け合いながら一巻を完成させます。

その式目の一つに「句数(くかず)」のきまりがあります。これは同季や同類の句材があまり続き過ぎると一巻の運びに変化が乏しくなるので、そういう事態を防ぐために、季節や素材の続け方に一定の制約を加えるとりきめです。

季節の句についていうと、たとえば巻のある所で春季の句が出たとすると、次からはその句を含めて、これと同季の句を少なくとも三句は続けなければなりません。さらにそれ以上続けることもできますが、五句を越えることはできません。このきまりは秋の季についても同じことです。つまり春秋句の「句数」は、三句以上五句まで、と決められているわけです。

一方夏と冬の句については、一句で終わりにしてもよく、続けるにしても三句まで。そうすると、夏冬句の「句数」は、一句以上三句まで、ということになりますね。

またこの「句数」とは別に、「去嫌(さりきらい)」というきまりもあります。こちらは、同季や同類の句材について、再び同じ句材を出すのに何句以上間を隔てなければならないかとか、ある場所には使えない句材などについて定めたものです。

これも季の句についていうと、ある季が続いた後に再び同じ季を出すには、その間を五句以上隔てなければなりません。これを「五句去り」と称します。

ただし蕉門の連句には、ごくまれながら、二句を隔てただけで再び冬句を詠んだ例(*注)をはじめ、五句を隔てずに同季を続けた例が見つかるので、夏冬季の句去りについては古式よりもゆるやかに運用されていたようです。

 (*注) 例えば、歌仙「亀の甲」(『ひさご』)、歌仙「破風口に」(『三日月日記』)の巻など。
     ただし前者の座には芭蕉は参加していない。

この「句数」と「去嫌」のルールの面から、蕉門連句に出る「昼寝」句を見ていきましょう(この項続く)。

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   *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-08-14 14:59 | 言語・文化雑考


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