2007年 09月 21日
「あわただす」という言い方 (4)
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形容詞「あわただしい」から、その動詞形に相当する「あわただす」「あわただせる」を派生させる原因はどこにあったのでしょうか。



私はその要因を、この形容詞と形のよく似た「いらだたしい」の存在に求めるのがよいと考えています。

「いらだたしい」は、動詞「いらだつ」から派生した形容詞ですが、この動詞に使役の意を添えた形として、「いらだてる」とは別に、「いらだたす」「いらだたせる」の形も存在します。

仮に、「あわただしい」の動詞化において、この関係に対して次のような類推がはたらいたとします。

  いらだたしい : いらだたす : いらだたせる
                ↓        ↓ 
  あわただしい :   x   :    y


その結果は「あわただしい」から次のような動詞形を派生させることになります。

  x = あわただす
  y = あわただせる


「あわただす」「あわただせる」という新しい動詞形は、このような類推作用に支えられて生まれたものであろうと私は考えます。

なお、「いらだたしい」が本来「いらだつ」から派生したものであるからには、「あわただしい」もまた、「あわたつ」あるいは「あわだつ」の動詞形を派生させるのが筋というものですが、現実にはそれが起きていません。別の意味を表す「泡立つ」がすでに存在していて、それとの衝突を回避した結果であることは明らかです。  (この項続く)

ことしも、冒頭の画像のヒガンバナが咲く時節を迎えました。毎年、秋の彼岸の到来に歩調を合わせるかのように花を咲かせる、まことにその名にふさわしい植物です。

今朝は久しぶりに城尾さんと2匹の仔猫たちに出会いました。しばらく見ない間にずいぶんたくましい面構えになっていました。もう1匹も無事でいるといいのですが。
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*撮影機材:R-D1+SUMMICRON50mm f2.0 (沈洞式)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-09-21 11:30 | 言語・文化雑考


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