2007年 11月 29日
「まじまじ」と「まんじり」(1)
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(本項は水曜日3時限「日本語の歴史資料研究」の授業で取り上げた話題の一部を再録したものです。授業時によく理解できなかった受講生は復習に役立ててください)



「ふわふわ(と)」「ぼやぼや(と)」などのように、反復の形(A)をとって構成される象徴語(擬態語や擬音語を総称してこう呼びます)の中には、それとは別に「ふんわり(と)」「ぼんやり(と)」のような「○ん○り」の形(B)を持つものがあります。

(A)「ふわふわ」と(B)「ふんわり」の間には、さほどの意味の違いはありません。これは同じ対応が見られる他の語の間でも同様のことが言えます。「ひやひや」「ぼやぼや」「じわじわ」などについても、このことを確かめてみましょう。

ところが、このような対応関係にありながら、それぞれの表す意味に隔たりのあるペアもあります。(A)「まじまじ」と(B)「まんじり」は、そのような"仲の悪い連れ合い"とも言うべき関係にあたるものです。

 (A)彼の顔をまじまじと見つめた。
 (B)ゆうべはまんじりともしなかった。

上の例文に見るように、現代日本語では「まじまじ」は《じっと目をすえて見つめる様子》を表すのに対して、「まんじり」は否定の語を伴って《少しもねむることができない様子》を表します。両者の間には、わずかに「目」に関する共通性はあるものの、「ふわふわ」と「ふんわり」の間に見られるような同義的性質は認められません。

「まじまじ」と「まんじり」の語義が、このような疎遠な関係にあるのはなぜでしょうか。
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 *撮影機材:R-D1+NOKTON classic40mm f1.4 (S・C)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-11-29 07:16 | 言語・文化雑考


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