2007年 11月 30日
「まじまじ」と「まんじり」(2)
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日葡辞書』が出版された翌年(1604)に、その本篇に追加された「補遺」篇には、"Majimajito xite."(マジマジト シテ)の項が立てられ、次のような語釈が施されています(『邦訳日葡辞書』による。(A)・(B)は筆者の加えた記号)。



副詞. (A)何一つとして心を配ることもなく,非常にのんびりとしていること.また,(B)眠ろうとして眠れないで臥していること. 

ここでは「まじまじ」について二つの語義を記述していますが、どちらも現代語の「まじまじ」のそれとは一致しません。しかし(B)の「眠ろうとして眠れないで臥していること」には、現代語の「まんじり」の語義と共通するものがあります。

このことは、前項(1)で指摘した、現代語における「まじまじ」と「まんじり」の語義の疎遠性の謎を解く鍵になるものと思われます。このことから、次のような推定を下すことができます。

1)「まじまじ」が上記(B)の語義を有していた時代に、これと類義関係にある「まんじり」が派生した。

2)後に「まじまじ」に語義変化が起こり、やがて(B)の意味が失われたが、一方の「まんじり」には、本来の語義が保存されて現代に至った。

3)そのため、現代語に見られるように、「まじまじ」と「まんじり」との間の類義関係が失われる結果となった。

なおまた、上記辞書の「まじまじ」については、その現代語に備わる《じっと目をすえて見つめる様子》の語義が記されていない点も注意されます。これは、「まじまじ」にこの語義が生じたのが、さらに後の時期であったことを暗示するものです。 (この項続く)

画像4枚目の白チビは、11月3日の記事に登場したのと同一個体です。その手前と5・6枚目に写っている小トラは今朝初めて見る顔です。どちらも秋仔、元気に育ってくれるといいのですが。
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  *撮影機材:R-D1+NOKTON classic40mm f1.4 (S・C)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2007-11-30 07:25 | 言語・文化雑考


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