2008年 06月 08日
インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」の「ビヨウヤナギ」のページでも、その記述の中に「美容柳」の漢字表記を用いています。さらにその末尾には次のような記述があります。(2008.6.8現在。原文は こちら) ビヨウヤナギは、美容柳などの字を当てることもあるが、語源は不明 (花が美しく葉が柳に似るためか)。 ここでも、疑問は残しているものの、「美容柳」の表記にもとづいた語源解を紹介しています。 ただし、植物写真の上にある和名を示す欄には、片仮名表記の後に“?”の記号を施して、漢字は表示していません。これは、「美容柳」の表記に疑問が残ることを示すもので、それはそれなりに良心的な記述方針だと思います。 ところで、享保2年(1717)に出版された分類体辞書『書言字考節用集』(槇島昭武編)では、植物名を集めた巻六「生植門」ヒの部に「未央柳」を収め、そこに「ビヤウノヤナギ」の読み仮名が施されています(左の画像参照)。 また、『角川俳句大歳時記-夏-』「未央柳」の項によれば、寛文7年(1667)刊行の季寄せ『増山の井』などには「未央柳の花」として掲出されているとのことです。 なお、寛永15年(1638)正月の序文を持つ俳諧作法書『毛吹草』には、巻二「誹諧四季之詞」五月の項に、「びやうの花」と仮名で書かれた例が見えます。 このような文献によれば、この花は江戸初期の頃にはビヤウノハナ、あるいはビヤウノヤナギと呼ばれ、後者の漢字表記は未央柳であったことが知られます。 (この項続く) 本日の2枚目は拙宅に咲いたガクアジサイ、3枚目はご近所の玄関先の孔雀サボテンです。 城尾ファミリーのもう一匹は、煮干しには見向きもせず、ちょっと顔を出しただけですぐに帰ってしまいました。 *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation) (1枚目) RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4 (2枚目以下)
by YOSHIO_HAYASHI
| 2008-06-08 07:07
| 言語・文化雑考
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