2008年 06月 22日
体験授業フェア
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本日、標題の催しが専修大学生田キャンパス10号館で開かれ、その講師の一人としてこれに参加しました。




f0073935_163269.jpgふだんの講義をモデル授業として受験生に公開し、志望の決定に役立ててもらおうというのがそのねらい。私の講義は、「中世の『謎』を解く」という演題で、1年次生対象の基礎ゼミナールで使用している中世の謎を集めた「謎の本」(天理図書館所蔵)から抜粋したプリントを教材に使用しました。

中世の謎というのは、下のプリント画像に示すようなもので、たとえば①ならば、「月の中にはいりた」が問いで、「つはき」(椿or)が答。その問いからどうしてそのような答が出るかを説明できれば、謎が解けたことになります。

①の謎解きはこうです。

「月の中にはいりた」は《月の中に入った》という意味ですが、これを《「つ」「き」の中に「は」が入った》の意に解すれば、「つ」と「き」の間に「は」が入って「つはき」となりますね。これで謎が解けたわけです。

この謎の趣向は、《入る》の意を表す語が、「はいる」と「いる」の二つの形を持つ点をうまく利用しているところにあります。現代語では、この動詞を単独で使うときには「はいる」を用いますが、「よめいり(嫁入り)」「いりぐち(入口)」などには「いる」の形も用いられます。

また、これとは別に注意されるのは、現代語では「はいた」となるところに「はいた」の形を用いている点です。

現代語の「はいる」は、たとえば「つつ」が下に付くときには「はい(つつ)」の形を用いるのに対して、「た」が付くと「はい(た)」とつまる音に変わりますが、この謎が作られた当時は、「た」が付いてもそうならずに「はい(た)」の形を取っていたことが解ります。

中世の謎には、このような日本語の歴史に関する問題も多く隠されていて、興味深いものがあります。

高校の授業時間に合わせた50分授業でしたが、全部で12の謎解きをしながら、このような語学的な問題にも触れることができました。

受講生たちがどんな感想を持ったのか、そのアンケートの結果を早く知りたいものです。
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 *撮影機材:RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-06-22 16:04 | 身辺雑記


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