2008年 07月 08日
花の名前 -ノウゼンカズラ(3)-
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次に掲げるのは、平安時代の古辞書『和名類聚抄』(934年頃成立)二十巻本の草木部木類に収める記事です。



f0073935_17464646.jpg見出し語「陵苕」の下には、これが『本草』という文献に見えること、また別に「紫葳」や「凌霄」の名を持つことなどが記されてあり、さらに、この植物の和名は「末加夜木(マカヤキ)」で、別に「農世宇(ノウセウ)」とも呼ばれるという注記もあります。

ここに「陵苕」の別名として掲げられた「凌霄」の漢字表記と、ノウセウという和名により、この記事に取り上げられているのは、前半部にこれと近い語形を有するノウゼンカヅラであることが知られます。

なお、ここに『本草』とあるのは、『和名類聚抄』の典拠の一つとなった文献で、この辞書よりも20年ほど前に編まれた『本草和名』を指す略称です。

ちなみに、この文献の該当箇所には、上記の「農世宇」という字音仮名が、「乃宇世宇」の形で記されていますが、どちらもノウセウ(またはノウゼウ)と読むことができます。

ノウゼンカヅラがこのような古い本草学の文献に名を留めているのは、この植物が本来は漢方薬種として我が国に伝来したものであることを示しています。 (この項続く)

*撮影機材:RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-07-08 04:56 | 言語・文化雑考


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