2008年 07月 13日
花の名前 -ノウゼンカズラ(6)-
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語頭にラ行音が来ないという特徴は、古代日本語のみならず古代朝鮮語にも見ることができます。しかも、日本では平安時代以降のころにはすでにその特徴が失われていたのに、韓国語には今なおその影響が強く残っています。



ッパ(喇叭)がパル(나팔)、ユウ(理由)がユ(이유)、フ(流布)がポ(유포)の形で用いられるなどはその一例で、ここに見るように、漢語や外来語の語頭音 r を他の n や y などの音に変えて取り入れた点には、この言語の特徴が表れています。

最近韓国に伝わった日本のバタヤキ(炉端焼き)は、そのまま外来語として受容されましたが、その発音はバタヤキに変わっています。現代にもなお上記の言語的特徴が残っていることは、このような事例からもうかがうことができます。

韓国語ではノウゼンカヅラを指すのに、「凌霄花」の音読みにあたるンソファ(능소화)の形を用いますが、これもまた本来の「凌」の語頭音 r を n 音に変えて摂取したことを示すものです。

このようなところには、ノウゼンカヅラの名前にまつわる謎を解く鍵が隠されているように思われます。

本来ならば語頭が r 音であるはずのこの植物名が n 音で始まる形に変わったのは、それが日本に伝来する以前のことであり、こうした言語的特色を強く持つ古代朝鮮を経由して日本に伝わったという可能性を視野に入れる必要があります。

このことはすでに濱田敦氏の指摘するところですが、私もこの考えに賛同するものです。 (この項終わり)

今日も一日暑くなりそうです。本日は四酔会連句の7月例会が開かれることになっています。
どんな一巻が巻き上がるのか楽しみです。そのご披露はいずれまたということに。
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  *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-07-13 05:58 | 言語・文化雑考


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