2008年 07月 22日
花の名前 -アジサイ(4)-
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古代日本語では、語の結合などの際に二つの母音が連続する事態が起きると、それを避けようとする力がはたらきます。例えば、現代語のマッサオ(真っ青)におけるサオは、古代日本語のサヲを受け継ぐものですが、そのサヲというのは、サ(接頭語)+アヲ(青)の結び付きから生まれた語形にあたります。



その結合の際に、サアヲのアが脱落してサヲの形を取ったものですが、これは、そのまま結合すると saawo という母音の連続が生じてしまうので、それを避けるためにアヲの語頭音 a が脱落して sawo の形に変化したものです。

アヂサヰを表す万葉集の「味狭藍」の表記も、これと同じ原理に支えられています。この訓仮名表記をそのまま読めば、アヂ・サ・アヰとなりますが、サ・アヰの結合においては、母音の連続を回避するために、アヰの語頭母音アが脱落してサ・ヰの形に変わるので、「味狭藍」は結果的にアヂサヰと読まれることになります。 (この項続く)
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  *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-07-22 17:04 | 言語・文化雑考


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