2008年 07月 25日
花の名前 -アジサイ(7)-
f0073935_742344.jpg

f0073935_16504018.jpg紫陽花」の漢字表記は、934年のころに源順(みなもとの したがう)が編んだ、『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に出るのが最初のものです。



この辞書は、語の配列に意義分類体形式を採用していますが、その巻二十「草木部 草類」の中に、右の画像に見るような記事が収められています(ただし、これは二十巻本に載るもので、十巻本にはこの項目が見えません。この点については後に触れます)。

ここには、「紫陽花」の「和名」が、音仮名で「阿豆佐為」と記されています。これによれば、当時の語形は「あさゐ」ではなく「あさゐ」であったことが知られます。

ただし、すでに7月20日の記事で示したように、万葉集には「安治佐爲」「味狭藍」両様の表記があって、ともに「あぢさゐ」と読まれるものですから、こちらが本来の形で、「あづさゐ」というのは後に変化した語形と見るのがよさそうです。

ここで「紫陽花」の典拠とされている「白氏文集律詩」というのは、唐代の詩人白楽天の漢詩文を収めた作品集のことで、我が国では古くから文人に親しまれてきました。

その中に「紫陽花」と題する漢詩が収められてあり、源順はこの作品に詠まれた花をアジサイだと解したもののようです。 (この項続く)

f0073935_7434896.jpg
f0073935_744093.jpg
f0073935_7441393.jpg
f0073935_7442098.jpg

  *撮影機材:R-D1+NOCTILUX-M50mm f1.0(2nd generation)
[PR]

by YOSHIO_HAYASHI | 2008-07-25 07:44 | 言語・文化雑考


<< 花の名前 -アジサイ(8)-      花の名前 -アジサイ(6)- >>