2008年 10月 09日
「風呂敷」のこと(3)
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前回示した芭蕉の花の句に出る「平包」ということばは、『日葡辞書』<1603>にも見えます。



f0073935_5462390.jpg左の画像は『邦訳日葡辞書』(岩波書店)からのスキャナ複写によるもの。見出しに"Firazzutcumi."とあるのがこの布のことです。

その語釈に「寝床などを包むのに使うもの」とあるのは、これが「寝床」すなわち布団などを包むのに用いられたことを示しています。そうすると、当時のものは現在の風呂敷よりもだいぶ大きかったことになりますね。

その大きさが後代になって、本来のものよりも一般に小さめになったところから、それと区別するのに、大きいのを特に「大風呂敷」と呼ぶようになったのでしょう。大げさなことを言うたとえに用いる「大風呂敷をひろげる」という表現にもこれが出て来ますね。

ところでこの辞書には、そのフロシキの方は姿を見せません。キリシタンのローマ字綴りでは、 "Furoxiki."の形が期待されるところですが、そういう見出しはなく、また"Furo."(風呂)の項目中の用例にもこの語は見あたりません。

この文献に載録されていないからといって、このころにはまだフロシキということばが生まれていなかった、とまでは言えませんが、当時はヒラヅツミが一般的な名称であったということは言えるでしょう。 (この項続く)

モクセイがかぐわしい香りを放つ時期になりました。

城尾さんちのちび八も元気でいます。八の字模様の位置が前よりも上がってきたように思われます。ということは、狭い様子をいうのに使う"猫のひたい"が、いくらか広くなったということか(笑)

最後から二枚目の「隅田の花火」(?)は、今ごろになってもまだ花を付けています。ずいぶんお徳用なアジサイですね。
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 *撮影機材:R-D1+NOKTON classic40mm f1.4 (S・C)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-10-09 06:09 | 言語・文化雑考


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