2008年 10月 31日
「いそいそ」 (2)
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いそいそ」の話題を続けます。



ネットを検索していたら、タイトルに「桜が咲いたから、いそいそとお花見ポタリング*」とある、ブログの記事に出会いました。
 (注) * ポタリング…自転車を気の向くままに走らせること。

『日本国語大辞典』(第二版)「いそいそ」第三項の語義解説には、《嬉しさに心をはずませて動作をするさま》とあり、私もこの意味に用いるので、ここの「いそいそ」も、初めはそういう使い方なのかなと思ったのですが、本文を読むとどうもそうではなさそうなのです。

まだ満開とまではいかないものの昨日の時点で7分咲きくらいにはなってきておりました。
(中略)
来週末の土日まで待ってると散ってしまいそうな感じもしたので、いそいそと花見にお出かけ。今日は自転車でフラフラと走ってきました。

この文章の筆者は、《心をはずませて花見に出かけた》というのではなく、《散ってしまわないうちに急いで花見にでかけた》ということを述べたかったもののようです。

「いそいそ」はまた、次のようにも使われます。

「のんびりしたいけれど、いそいそするしかない毎日」
というワタシの日々の焦りと不安。
「のんびりやだけれど、せっかちでもある」
というワタシの2面性を見事に表したなぁと
自画自賛したタイトルのブログはワタシの心の居場所にもなりました。


ここでは、「いそいそする」が「のんびりする」の対義語として扱われています。昨日の例に取り上げた「(このツアーは)いそいそしてない」もまた、これと同じ用法だったわけです。

「いそいそ」を《急ぐさま・あわただしいさま》の意を表すのに用いた例は、他にも枚挙にいとまがないほどネット上に見つかります。

ことばは気づかぬ中にみるみる変化する、そのことを改めて思い知らされた次第です。 
 (この項続く)
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 *撮影機材:R-D1+NOKTON classic40mm f1.4 (S・C)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-10-31 07:20 | 言語・文化雑考


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