2008年 11月 18日
ヒシャク(柄杓) (番外篇2)
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            (『日本常民生活絵引』<平凡社>第一巻による)

ことのついでに、ヒシャクが出てくる絵をもう一枚お目にかけます。



こちらは「扇面古写経」に描かれた洗濯場面。この資料の成立年代は不明ですが、人物や衣裳の描き方から、12世紀後半、平安末期ごろのものと推定されています。

この資料は、扇面に彩色画の下絵を描き、その上に経文を記したもの。絵の内容は当時の風俗が中心で、経文とは無関係です。

この絵には、番号10と13に2本のヒシャクが描かれているほか、当時の器物や衣裳、さらには習俗などに関する情報がぎっしり詰まっています。幼児や成人女性の髪型、洗濯の仕方、頭上運搬法など、ながめているだけでも興味が尽きません。

かの久米仙人が、衣を洗う女の白い脛に目がくらんで飛行自在の神通力を失い、空から墜落したという話も、こんな場景を目にしたことによるものだったのでしょうね。
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-11-18 05:34 | 言語・文化雑考


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