2008年 12月 03日
「鍍金(メッキ)」について (2)
前回示したように、1717年刊行の『書言字考節用集』には、「鍍金」「滅金」の両表記にメッキの読み仮名が施されていましたが、これよりさらに古い時代にはどうだったのでしょうか。



  ①       ②
f0073935_522955.jpgf0073935_5224144.jpg左の画像①は、文安元年(1444)に成立した分類体辞書『下学集(かがくしゅう)』の諸本のうち、文明十一年(1479)に書写された写本、②は書写年代不明の前田家所蔵本のコピーです。

これらは、色彩・絵画・飾りなどに関するものの名前を集めた「光彩門」に収める語彙の一部で、その中に、《箔》を意味する「薄(ハク)」に続いて、その類義語にあたる「滅金」の文字が見えます。

ここで注意されるのは、その漢字表記に対して、①には「メツキ」、②には「メツキン」の読み仮名が施されている点です。

このことから、メッキという語形は、「滅金」の音読みにあたるメッキンの語末のンが脱落して生まれたものであることが推察されます。そうするとメッキという語は、形が少しくずれて和様化されてはいるものの、本来は漢語であったことになりますね。

なおまた、『書言字考節用集』に収められていた「鍍金」が、ここには掲げられていない点も注意されます。これは、この熟字が15世紀のころにはまだ通用していなかったことを示すものです。 (この項続く)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-12-03 05:41 | 言語・文化雑考


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