人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2008年 12月 08日
四酔会連句興行録(2008.12)
四酔会連句興行録(2008.12) _f0073935_15134578.jpg
朝の冷え込みは厳しかったものの、日中は小春日和に恵まれた昨日、国分寺市本町南町地域センター会議室で、四酔会による納めの連句会が興行されました。



当初は六吟の予定でしたが、お二人がご都合により欠席されたので、四吟による付合となり、退室時刻の午後5時前にはめでたく満尾を迎えることができました。終了後、駅北口の小さな料理店に座を移して忘年を兼ねた二次会を開き、ここでは酒恋半歌仙が巻かれました。

それぞれの持ち寄った品々を美味しく頂きながら楽しく巻き上げた歌仙一巻を次にご披露いたします。

最後の画像2枚は、久しぶりに復活した雀羅さんによる怪奇造形。こちらも合わせてお楽しみ下さい。

     四吟歌仙「キャラメルの」の巻

         膝送り  丁那 加寿美 雀羅 宗海

  発句 キャラメルの箱に隠るる小春かな     丁那
  脇    焚火の準備子らの喚声         加寿美
  第三 玻璃の街北風の気配に包まれて      雀羅      *北風…きた
  四    波のかしらに鴎鳥浮く           宗海
  五   三日月を連れて国境越えてゆき        美/月
  六     露けき宿におから炊きをり          那

  七   大きなる猫ひそみたる草紅葉         海
  八     くさり鎌研ぐくの一の背ナ           羅
  九   語られぬ恋てふものをうたたねに       那
  十     ケータイメールにさよならと打つ      美
 十一   定時制高校の庭濡らす雨           羅
 十二    銀の筋置く七十路の髪           海      *七十路…ななそじ
 十三   辣韮とバーボン並べシャンソンを       美
 十四    溽暑の橋にメケメケの月          那/月   *溽暑…じょくしょ
 十五  投げ釣りの浮子に驚く夜光虫          海
 十六    しょうべんをせぬ犬のひと吠え        羅
 十七  花を浴び水掛不動おはします          那/花
 十八    数の子を干す物干の上            美
ナオ
 十九  番付をためつすがめつする春は        羅
 廿     コンビニの娘が渡すチケット         海
 廿一  激論の末席にゐて碁のはなし          美
 廿二    帯刀はんの睨まへる海            那       *帯刀…たてわき
 廿三  円高にあへぐ社長の髭の塵           海
 廿四    こつくりさんは西が嫌ひで           羅
 廿五  韓国(ハングク)は空の碧さも変りなく       那
 廿六    恨みも一途愛も一途に             美
 廿七  あなたからおまへにされた日の泪       羅
 廿八    刷り込まれたる味噌汁の月          海/月
 廿九  猪もメタボになりて甲斐の道           美
 卅     万妖祭に太郎一郎               那       *万妖祭…「ハロウィン」
ナウ
 卅一  新しき解釈を詠む西鶴忌             海
 卅二    へちまの水の夜を込めて垂る        羅
 卅三  べか船の岸に繋がれ忘らるる          那
 卅四    牛歩モットー余生穏やか            美
 卅五  母さんの夢を育てる花衣             羅/花
 挙句    あるかなきかに浮かぶ蜃楼          海

                      首尾 2008.12.07
四酔会連句興行録(2008.12) _f0073935_15502570.jpg

四酔会連句興行録(2008.12) _f0073935_1550389.jpg

  *撮影機材:RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4

by YOSHIO_HAYASHI | 2008-12-08 15:14 | 詩歌管弦


<< 「鍍金(メッキ)」について (6)      「鍍金(メッキ)」について (5) >>