2008年 12月 10日
「鍍金(メッキ)」について (6)
「鍍金」の漢字表記と、その音読にあたるトキンという語が一般に使われるようになるのはいつごろのことでしょうか。




f0073935_5593582.jpg左の画像は、大槻文彦(おおつき ふみひこ)が当時の文部省の命を受けて、明治8年から17年にかけて編集にあたった『日本辞書 言海』(初版)の「めつき」の項のコピーです。

見出し語の下に掲げる「滅金」に施された囲み線は、これが「和用」(日本で通用する)漢字であることを示し、語釈の後に掲げる「鍍金」「鍍銀」に施された二重線は、これらが「漢用字」(中国通用の漢字)であることを示すものです。

明治10年代のころには、まだ和製漢語の「滅金」の表記が一般的ではあったものの、一方には中国渡来の「鍍金」も使用されていたことが知られます。

なお、この辞書には「ときん」の見出しも立てられていて、こちらには「滅金(メッキ)ニ同ジ」とあります。

また、『日本国語大辞典(第二版)』「ときん」の項に引用する『音訓新聞字引』(1876)にも、「鍍金 トキン メッキ」の両様の読みがあるので、トキンがメッキと肩を並べるようになるのは、明治10年代前後のころと見るのがよさそうです。 (この項終り)
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-12-10 06:30 | 言語・文化雑考


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