2008年 12月 13日
「鍍金(メッキ)」余録 (1)
メッキがはげる」という表現は、現代では《表面のメッキがはげ落ちて地金が出る》という本来の意味とともに、そこから転じて、比喩的に《外面的なかざりが取れて本性が現れる》の意に用いられますね。



f0073935_737525.jpgその本来の意味にあたると思われる用法は、すでに中世の文献に見ることができます。

左の画像は、室町時代中期に書写されたイロハ分類体辞書『文明本節用集』の「ハ」部から引用したものです。

上の見出し字「」の右側に「ハグル」とあるのは、この漢字の訓読みで、現代語の「はげる」にあたります。なお左側の「ハク」はこの漢字の字音を示したものです。

その下に「滅金(メッキ)ノ - 」とあるのは、この動詞の用法を示す注記。棒線はこの語を代用的に表し、「メッキのハグル」の形で使用されることを示しています。

これが比喩的な用法にまで及ぶものなのかどうかは、文脈の助けがないので判別はできませんが、この辞書の成立した当時、「ハグル」という動詞の用法として思い浮かぶのが、「メッキがはげる」という表現であったことがうかがわれて、興味深いものがあります。
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by YOSHIO_HAYASHI | 2008-12-13 07:39 | 言語・文化雑考


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