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タグ:すあま(州浜) ( 14 ) タグの人気記事

2006年 06月 21日
すあま(14)
f0073935_13123523.jpgあちこち寄り道をしてきた話題をはじめのスアマに戻します。

すでに「すあま(2)」のところに記したように、「州浜」には次のような語義があります。
 ①《湾曲した浜辺》
 ②《「州浜」形の台(島台)》
 ③《「州浜」形の図案・模様》
 ④《「州浜」形の紋所の名》
 ⑤《京都で作られる菓子の名》

①が原義で、②以下の語義はそこから派生したものです。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-21 13:16 | 言語・文化雑考
2006年 06月 20日
すあま(13)
f0073935_581413.jpg現代では《それとなく察知される様子》の意を表すケハイが、かつてはケワイの形で用いられ、『和英語林集成』第三版が出版された1886年当時にもなおそうであったことを、これまでに確認しました。

そうすると、いったんはハ行転呼を生じたケワイのワが本来のハに"戻った"のは、これよりも後の時代に起きた変化であったことになります。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-20 05:19 | 言語・文化雑考
2006年 06月 19日
すあま(12)
f0073935_6131457.jpg前回参照した『和英語林集成』初版の状況は、第三版(1886)ではかなりの変化を見せます。初版と同じ項目を比較してみましょう。

①KEWAI or KEHAI ケハヒ 粧 -suru, to dress, adorn one's self, adjust one's dress; make one's toilet.
Syn. YOSOO. KESHO.

②KEWAI ケハイ n. Sound; sign: indication; appearance: hitono kita - ga suru, there is a sound of some one coming.
Syn. YOSU, KESHIKI.


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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-19 06:13 | 言語・文化雑考
2006年 06月 18日
すあま(11)
f0073935_653134.jpgスアマの話題が脇道に逸れているのを承知の上で、もうしばらくケハイの話を続けます。

今から140年ほど前の明治初期のころは、ケハイをめぐる状況はどうだったのでしょうか。ここで再び、前に引用したヘボンの『和英語林集成』を参照してみましょう。

初版(1867)には次のようにあります。

①KEWAI,-szru, ケハイ, 粧,
To dress,adorn one's self adjust one's dress.
Syn.YOSO-O.

②KEWAI,ケハイ, n. Manner,sign,indication,appearance.
Syn. YOSZ,KESHIRAI,KESHIKI.


(注)下線は長音符号を示す。以下同。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-18 06:45 | 言語・文化雑考
2006年 06月 17日
すあま(10)
f0073935_6222539.jpgいったんは語中尾のハ行音がワ行音に転じたのに、後世再び原形が用いられている語の例には、ヒハダブキのほかにケハイ(気配)もあります。

この語は「気配」の漢字表記がすっかり定着しているので、これが本来の語義を表すものであるかのように受け取られがちですが、実はそうではありません。この語の原形は「ケ(気)+ハヒ(延)」で、ハヒは《伝わる・広がる》の意を表す動詞ハフの名詞形にあたるもの。ケ《様子・雰囲気》が辺り一面に広がる様子、それを表す語がケハヒだったわけです。

なお現代の漢字表記「気配」では、「気」は語義に対応していますが、「配」のほうは語義とは無関係で、ハイの語音を表すのに選ばれた当て字にすぎません。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-17 06:07 | 言語・文化雑考
2006年 06月 16日
すあま(9)
f0073935_7541057.jpg最後に「すはま」におけるハ行転呼に関する問題を取り上げます。

「すはま(3)」のコメント欄に、juniori 君から次の疑問が提出されていました。

【例えば「朝日」の場合、「日」は語中のハ行音ですが、二字漢語で 「朝」と「日」で分かれるという意識があったためハ行転呼は起こ らなかったと思うのですが、似たような語「州浜」がハ行転呼を起 こしたというのは、全体どのような事情があってのことでしょう?】

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-16 06:35 | 言語・文化雑考
2006年 06月 14日
すあま(8)
f0073935_633470.jpg前回引用した『言海』では、「すあま」を「州浜(スハマ)の音便訛」とし、「すはま」を標準見出しとしていました。

これは、「すはま」を本来の形として扱う辞書編集者の復古的な立場によるものですが、当時実際に用いられていたのは「すあま」の方であったと見るべきです。それは、すでに本ブログの「すはま(6)」で引用した『東京風俗志』「菓子」の項に、「州浜(スアマ)」とあったこととも整合します。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-14 06:17 | 言語・文化雑考
2006年 06月 13日
すあま(7)
f0073935_529370.jpg大槻文彦が文部省の命を受けて明治8年(1875)に起草し、同17年(1884)に成稿を見た『日本辞書 言海』は、日本最初の近代的体裁を整えた国語辞書です。

本書は初版以降も語彙を増やしながら改訂を重ね、のちの『大言海』へと発展して行きます。初版の語彙数は約3万9千ですから、当初は現代の中辞典程度の規模のものでした。

この辞書の見出し語には、次のように「すはま」「すあま」の両項が立てられています(カッコ内の片仮名は原典にある振り仮名)。
・す-はま (名) [州浜・■*]
①洲アル浜辺ノ凹凸セル処。
②転ジテ、スベテ、製作画様、模様等ノ縁ニ、其(その)象(かたち)ヲカタドレルモノ。
③又、其形ニ作レル物ノ台、-(州浜)ノ台ナドイフ、島台モコレナリトゾ。
④餅菓子ノ名、飴ト きなこ トヲ和シテ、たけのかは ニ包ミ、竪(たて)ニ数条ノ渠(ミゾ)ヲオシツケ、解キテ輪切ニシ、縁(ヘリ)、凹凸ノ形ヲナス、

 *(注)■=【 「燐」字の旁+《 】の字形。

・す-あま (名) 州浜(スハマ)の音便訛


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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-13 06:54 | 言語・文化雑考
2006年 06月 12日
すあま(6)
f0073935_583191.jpgネット上で、現代における「すあま」の表記の実態を検索してみると、漢字表記では「素甘」が一般的ですが、他に「寿甘」「酢甘」「州甘」などの表記形も見られるのに対して、一方では特に漢字表記を用いずに平仮名書きにしたものも少なくありません。

これは、現代に至ってもなおこの菓子名の表記が一定していないことを示すものです。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-12 06:33 | 言語・文化雑考
2006年 06月 10日
すあま(5)
f0073935_17581861.jpg幕末に来日したJ・C・ヘボン(1815-1911)は、ヘボン式ローマ字の創始者として知られる人物ですが、彼の編んだ和英辞典『和英語林集成』初版(1867)には「州浜」に関する次のような記事があります。

SZHAMA*, スハマ, 洲浜, n. obs. The same as Shimadai.
*(注)初版では「ス」のローマ字綴りに "sz" を用いる。

上の記事に用いられた "obs." は "obsolete word"の略語で《廃語》の意を表します。

この語釈によれば、当時は "Shimadai"(島台)の方が通用していたことが分かります。これは前回に見た『書言字考節用集』の「州浜②」の注記に「今云島台」とあったこととも符合します。

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by YOSHIO_HAYASHI | 2006-06-10 17:40 | 言語・文化雑考