2006年 09月 30日
海沿いの地方では、活魚を捌いた新鮮な刺身が食べられます。 今日取り上げるのは、韓国西海岸にあるクンサン(群山)市*1の、とあるフェチプ(刺身店)で試みた一件です。 上の写真は、スキダシ*2と称して、初めに出される品々。 こんなもの頼んだ覚えないよー、などと言ってはいけません。 これだけでも十分に満足できるほどの品が、前菜として出てきます。しかもお代わりは自由。 日本の刺身定食だって、これほどは出ませんよね。 *1 韓国映画「八月のクリスマス」のロケ地となった場所。この後、別項でふたたびここの写真を紹介する予定です。 *2 日本の料理屋でちょっとした酒の肴をいう「つきだし」をそのまま取り入れた外来語。しかしこの分量では、「つきだし」よりも「おしだし」がよいのではないかと思ったりもします(笑)。ちなみに韓国語には日本語のツの音節がないので、日本語のツはスの形で受容されます。したがって、トンカツも「トンカス」に変身します。 2枚目の写真がメインの刺身。魚を一匹単位で捌くので、一人で食べるにはあまりにも多すぎます。 韓国、ことに地方の食堂では、朝・昼はさておき、夕食を独りで食べている人の姿を見かけることなど、まずありません。食事は大勢でするものという前提がありますから、供される品々も最初からそのような形で出されます。ここが韓国での一人旅の辛いところです。 ただし、大勢で食べている人たちが立ち去った後を見ても、当たり前のように食べ残していますから、もったいないという気持ちを棄てさえすれば問題はありません。とはいえ、貧乏性にはやはりもったいないと思われてなりません。 最後は、調理後に残った魚の頭と骨、そこに野菜を入れ、極辛の味付けをした鍋にご飯を入れて仕上げとなります。すでに腹中は立錐の余地もない通勤電車状態のはずですが、不思議にもこれがすいすい入っていきます。 辛い味付けでなければ、とてもこんな工合には行かないはず。韓国の食生活の知恵に脱帽しながら、鱈腹(たらふく)という当て字の状態になるまで頂きました。 *撮影機材:RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4
by YOSHIO_HAYASHI
| 2006-09-30 07:59
| 旅行
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