人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2007年 01月 09日
西・北インド連句紀行#02 /発句
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_526612.jpg

 発句  越え行くや西天竺の年の関        宗海 (歳末)

日本時間12時26分に成田空港を離陸したエア・インディア309便は、旅行団一行11名を載せて、デリー空港を目指してフライトを続けている。中継地のバンコクに着陸するまでに、昼食と中食の二度の機内サービスがあり、さらにバンコク空港離陸後に夕食が供される。



成田空港離陸後まもなく、すでに用意しておいた「旅中連句のおさそい」と題するプリントを一行に配布する。そこには筆者の発句候補三句とこれに付ける条件が記されてあり、一座を希望する人はその中の好みの句を選び、これに脇句を付けて提出する。
一句に複数の脇句を付けてもよく、複数の発句候補を選んでもよい。
付句の提出はデリー空港到着時までとする。

発句候補は次の三句。
 (甲) 歳晩の翼は銀に輝けり          宗海
 (乙) ジャンボ機の出で立つ年の湊かな   宗海
 (丙) 越え行くや西天竺の年の関       宗海

上記三句には、それぞれ当季歳末の季語「歳晩・年の湊(みなと)・年の関」が用いられている。
これに付ける脇句に必要な条件は次のとおりである。
 1)短句(七・七)形式であること。
 2)発句と同季の季語を用いること。
 3)発句と合わせて一つの世界が形成されるように詠むこと。

脇句は一般に体言(名詞)で留めるのがよいとされる。またすでに発句に用いられた漢字や用語は使用しない。

デリー空港着陸は日本時間01時36分。デジタル・アナログ併用腕時計のアナログの針を、3時間半の時差に応じて現地時間に合わせる。デジタル時刻は日本時間のままにして、両地の時刻が一目で分かるようにしておく。

着陸までに8名の方々から脇句候補が提出された。集まった付句は都合19句。その結果、丙句がもっとも多くの票を集めたのでこれを発句に定め、句中の詞を取って巻名を「西天竺」の巻とする。
(この項続く)
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_1242495.jpg
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_1249728.jpg
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_12422716.jpg
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_12424929.jpg
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_1243876.jpg
西・北インド連句紀行#02 /発句_f0073935_12433664.jpg

*撮影機材:RICOH GR-DIGITAL 28mm f2.4

by YOSHIO_HAYASHI | 2007-01-09 12:39 | 旅行


<< 週末休載のお知らせ      西・北インド連句紀行#01 /前書 >>